奨学金の延滞率を0%にすために必要なことを考えてみた

奨学金の延滞問題が話題になっていますね。
http://news.yahoo.co.jp/feature/118/

返還できない人数が取り沙汰されていますが、
一方で返還できた人の比率が気になるわけで調べてみました。

平成26年度の状況調査が報告されています。
平成26年度奨学金の返還者に関する属性調査結果
(本ブログでは以降blockquoteで引用させていただきます)

これによると、

(参考)平成26年度末現在の状況
返還を要する者(返還期日到来分のみ):362万4,706人
返還している者:329万6,320人
1日以上の延滞者:32万8,386人
3か月以上の延滞者:17万3,190人

ということですので、3ヶ月以上の延滞率は5.3%。
(1日遅れた人を合わせると15%ですが3ヶ月との乖離があります。
 払い忘れでしょうか。こちらはあまり問題じゃないかな。)
逆にいうと、95%の人は返還が出来ているということでしょうか。
350万人程度が奨学金制度により、大学に通うことができたわけです
(中退者は考慮していません)。
ちなみに、平成20年の調査は以下です。

– 返還を要する債権(期日未到来分を含む。):2,538千人
– 1日以上の延滞債権:310千人
– 6ヶ月以上の延滞債権:172千人

こちらは6ヶ月以上のデータしかありませんでしたが、6.7%が延滞者です。
この6年で、債権者が40%増加したが、延滞者は増えていないということです。
(日本学生支援機構の何らかの施策によりこうなったのかは判断できませんでした)
目標値が見つかりませんでしたが、当然0%なのでしょう。
是非とも毎年の数値目標を提示して日本学生支援機構の仕事っぷりを自慢していただきたいと思います。

ここで、この延滞者の状況を考えてみましょう。
僕は300万円ほどを奨学金から調達しました。
月々の返済は15000円。
これを200ヶ月(17年程度)に分けて返還する計画でした。
予定通り返還すると30歳後半です。
この状況をみて、振り返ってみます。

問題なく返還するには以下の計画を予定通り遂行する必要があります。
これがveryハードです。

  • 4年間で卒業する。(院制は別ですが。)
  • 就職活動で失敗しない(返還額を毎月準備できるようにする)
  • 10年以上、就職した会社で働き続ける。もしくは、すぐに転職or起業できる。

17年勤める保証はどこにもありません。
大手に就職してもSHARPさんのようなリスクや、病気によるリスクは常にあるわけですね。

大学生のご子息をお持ちの親御さんは、上記のことをお子様と共に理解する必要があります。
(連帯保証人になりますよね?今は違うのかな?)

次に平成26年度の実態調査より、施策を考えてみましょう。

1.申請書類を本人に書かせる

奨学金を申請時に実際に書類作成等をした者について、延滞者では「奨学生本人」33.6%と「本人と親等」19.7%の合計は53.3%で、約半数の者しか申請時の書類作成に本人が関わっていない

とあります。
数値に出てきている以上、作成は本人とするべきでしょう。
制度として強制してもいいかもしれません。(すでになっている?)

2.奨学金が必要なら高校3年生のうちに親から子へ説明する
これも数値が出てます。

延滞者では「申込手続きを行う前」に返還義務を知った者は、過半数以下の49.5%であるのに対し、無延滞者では90.3%で無延滞者の方が40%以上高い。

延滞者の4割が、申請手続き前は返還しなくて良いと考えています。
“奨学金”、”返還”という名前がよろしくないのでしょうか。
”返済”にしたほうが良いかもしれません。

僕も大学1年で借りる話をされたのですが、え?なにそれ?という感じでした。
入学した後だと「借りない」という選択肢は残されていないわけです。
といっても、
受験時期には言いたくないですね。
無事合格したら、早めに説明するのがよろしいかと思います。
この際、返還責任があることを説明してください。
ちなみに、お金を”借りる”ことが分かっていると、まじめに勉強し就職のために努力するというメリットはあるかもしれません。

独立法人からすると、奨学金を借りた人は将来の投資として借しているわけですよね。
いわばプロフィットセンターとして、優秀な人材を育てるべく今後とも頑張っていただきたいと思います。

延滞者のニュースが多く感じますが、
僕は先日繰り上げ返還が完了しました。
奨学金制度があって良かったです。
ありがとうございました。

よろしくお願いいたします。

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