KickStarterで申し込んでから、待つこと11ヶ月。
待ちに待ったNature Remoが届きました。
Remoの前作、iRKitも愛用していますので、その違いも含めて、しっかりとご紹介したいと思います。
スマートリモコンに興味のある方は、ぜひ参考にしてみてください。
見出し
Remoとは何か?
Remoは、いわゆるスマートリモコンです。
iPhoneやアンドロイドといった、スマホ、タブレットから、あなたの部屋のエアコン、テレビ、照明といった「リモコンで操作できる家電」をコントロールできるアイテムのことです。
いくつものリモコンを使いこなす、といった面倒から解き放たれるのです。
言葉で説明するより、公式動画をご覧いただいたほうが、ハッキリとイメージできると思います。
Remoでできること
あらゆるメーカーのエアコンをスマホで操作できる
日本のエアコンメーカーなら、ほぼ全てに対応しています。
僕は日立のエアコンを使っているのですが、アプリに登録するとこのとおり。
部屋の温度(28c)も表示されています!(Remoには温度センサーが搭載されているので、分かるんですね。)
メーカーを自動判別して、さまざまな操作ができるようになっています。
暖房、冷房、ドライ、それぞれの温度調整、そして電源オフ。
暖房モードにすると、あたたかな色合いになります。
温度調整は、温度のバーを、上下にスライドするだけ。
この使い勝手が、バツグンに良いです。
エアコンのボタンでは、「何度もボタンを押す」操作が必要でした。
一方、Remoは、お気に入りの温度にスワイプするだけです。
部屋の温度も一緒に表示されているので調整しやすいです
「今の室温よりも、あと2°だけ下げたい」、といったことが直感的にコントロールできます。
あらゆる家電をスマホで操作
Remoは、エアコンに力を入れているのですが、僕がよく使っているのはこちら。
照明、ストーブ、テレビ、オーディオなど、さまざまな家電を登録できます。
つまり、「リモコン」で操作できるものなら、何でもコントロールできます。
外出先からもコントロールできる
スマートリモコンの真髄とも言える機能、自宅にいなくても操作できます。
例えば、会社を出るときにエアコンをONしておけば、快適な温度で出迎えてくれます。
明るい部屋が待っていてくれます。
ひとり暮らしの人ほど、ありがたみを感じるはずです。
ウィジェットで一発操作
登録したリモコンは、アプリを使って操作できます(方法は後述)。
僕がよく使っているのは、iPhoneのウィジェットに登録したもの。
それぞれのボタンをタップすると、家電を操作できます。
アプリ起動して操作するより、ウィジェット方がアクションが少なく、カンタンに操作できます。
自宅に近づいたらON。離れたらOFF
たとえば、自宅から500m離れたら電気を消す。といったことも自動化できます。
外出時、電気を消し忘れたときも勝手にRemoが消してくれるわけで、これがメチャクチャ快適。あまりにも便利すぎて、そもそも電気を消す習慣がなくなりました。
そして、この逆も可能。
家に近づくと電灯を付けてくれるので、帰宅時には明るい部屋がまっています。
注意点としては、一人暮らしの快適さをグッとあげる機能であって、二人以上でお住いの場合には使いにくいことでしょうか。(人が家にいるのに、勝手に電気が消えたら驚いてしまうかと思います)。
Remoを使うのに必要なこと
Remoを使うには、以下の環境が必要です。
- スマートフォン(iPhone、またはAndroid)
- WIFI環境
- メールアドレス
Remo 開封の儀
パカっとあけるとこんな感じ。
説明書は英語&日本語。
後述しますが、アプリを使ってかんたんにセットアップできます。
基本的に読まなくていいです。
その下にはアダプタが入っています。
Kickstarter(クラウドファンディング)で公募していただけあって、全世界で使えます。
世界各国のコンセントで利用できるように、色んなプラグが入っています。海外に転勤になってもそのまま持っていけます。(今後発売される製品版では入っていないかもしれません)
本体と比べて、箱が大きいのはこれが理由。
Remoの正面は、やんわりとカーブを描いています。
タッチセンサーとしての役割も担っているので、触れたときに気持ちの良いデザインに仕上げたのでしょう。
Remoのセットアップ
サクッとセットアップして、使えるようにしてみましょう。
とてもカンタン。
手始めにエアコンを登録してみましょう。
1.電源を入れる
付属のコードを本体に取り付けます。
Remoは壁掛けで使うことをコンセプトにしているようです。コードは2mほど、十分な長さです。
逆に、壁にかけない人にとっては長すぎるかもしません。
Remo側はマイクロUSBのケーブルに対応していますので、短くしたいなら100円均一のものでも使えるでしょう。
反対側は、USBコネクタですね。
電源に繋げます。コンセントに刺してもよいし、パソコンのUSBスロットに差し込んでもOK。
2.Remoのアプリをダウンロード
ストアからアプリをダウンロードしましょう。
iPhoneユーザなら、AppStoreからのダウンロードです。「remo」で検索すると1番目にヒットします。
3.アプリの画面に従って、初期設定
アプリを立ち上げて、画面に従って設定してきます。
これはカンタンで3分くらいでできます。
(ところで、どうしてEメールを登録しなくてはいけないのでしょうか。こういった面倒なアクションが、Remoの普及を妨げる理由になることに、技術者は早く気付くべきだと思います。)
設定中に「家族からどのように呼ばれているか(父、母など)」という質問があります。この名前はアプリに登録されます。何に使われるかよく分からないうえに、名前の変更が(今のところ)できません。よく考えてつけましょう。
上手くいくと、こんな感じ。
4.リモコンを登録する
お手持ちの家電を登録していくことになります。
画面にしたがって、いくつか家電を登録してみましょう。
ホーム画面に、家電を追加します。Remoに向かって、リモコンのスイッチを押すだけ。
「エアコン以外のリモコン」を登録すると、画面にこんなメッセージが表示されます。あせらず、「OK」を押しましょう。(これはイケてないUIですね。近いうちにカイゼンされるはず)
家電をコントロールするリモコンのボタンを、いくつか登録していきます。
照明なら、
- 電源のOn/Off
- 明るくする
- 暗くする
など、リモコンのボタンが分かれているはず。これらを登録していきます。
こんな感じですね。
5.使ってみる
以降は、アプリを立ち上げるとこんなかんじで、家電の「カテゴリ」が表示されます。
ここから、操作したい家電をタップ。
例えば「ライト」をタップするとこうなります。ここで、アイコンをタップすると、登録したリモコンの操作が行われます。
(今のところ)、操作するには2タップ必要となります。
前作、IRKitでは、トップ画面に操作するためのアイコンがずらりと並んでいました。
こんな感じ。
1タップで操作できるデザインで、「カテゴリ」という概念が無かったんですね。
(1発で操作できて便利な一方、ごちゃごちゃしている印象でした。)
どちらが良いか?と聞かれれば、なかなか難しい問題です。
一長一短がある感じ。好き嫌いが分かれそうですね。
追記:アプリアップデートにともない、ウィジェットで一発操作できるようになりました。
IRKitとの違い
前作iRKitと、Remoの違いをまとめてみます。
スペックの違い
IRKit | Remo | |
---|---|---|
サイズ(cm) | 6.2 x 6.2 x 1.7 | 7.4 × 7.4 × 2 |
価格 | 7,700円 | 13,000円 |
センサー | – | 温度・湿度 モーションセンサー 照度センサー 人感センサー ノイズセンサー |
Remoの価格は約2倍。各種センサーが付いたスマートリモコンです。IRKitの上位互換といったところです。
Remoは一回りサイズアップしていますが、設置したあとは動かすものではないため、それほど困らないでしょう。今後、タッチして使うこともあるでしょうから、ある程度のサイズアップはむしろ効果的なはずです。
また、質感もアップしています。
IRKitは無機質で、「オタクのためのガジェット感」があったのですが、Remoは光沢と丸みが相まって、高級感ある仕上がりとなっています。リビングなどあらゆる空間で、違和感なくセットできるデザインといえるでしょう。
Remoのセンサーによって何ができるのか?
Remoの方が高価なのは、さまざまなセンサーを搭載しているから。
では、センサーによって何ができるのでしょうか?
実はRemoを購入する際に、開発者に問い合わせてみたのですが、各種センサーを使うことで、「使い手にとっての心地よい空間」を作りたいとのことでした。
例えば、照度センサーがありますから、部屋の明るさに応じて、自動的に照度を調整する、といったことができるようになるとのこと。
さまざまなセンサーが働いているもの見て取れます。
例えばRemoに手を近づけたり、振ったりすると、青いリングがボンヤリと光るギミックが確認できます。たぶん人感センサーやモーションセンサーが作動しているのでしょう。
こういったセンサーを使うことで、公式動画でも紹介されているとおり、壁にかけたRemoにサッと触れると、エアコンが付く。といったこともできるようになるはず。
たくさんのセンサーが搭載されているわけです。ところが残念なことに、その機能は殆ど発揮されていません。ハードウェア的にはサポートしているのですが、アプリケーションが対応していないんため、何の意味も無いのが実情です。今後に期待ですね。
IRKitはスマホを操作しなければ家電をコントロールすることができませんでした。あくまでもリモコンの代理でしかなかったのです。
Remoは少し進んだスマートリモコン。例えるなら、「人に寄り添うIOT家電と」がゴールだと思います。
Remoでカイゼンされた2つのポイント
また、個人的にはiRKitよりも良くなったと思ったことが2つあります。
LEDの照明が目立たない
iRKitでは、前面にLEDが付いています。これがかなり明るくて、ずっと点灯しているのです。さらに、操作したときや、WIFIの状態が不安定になったときに「点滅」するので、かなり気になります。テレビや読書など、集中したいときに、気が散るのです。
個人的には、IRKitを使っていて、もっともイケてないなと思っていた点です。スマートリモコンとして置いているのに、それが気になるのは、あまりスマートじゃないですよね。
一方、RemoのLEDは、落ち着いた装い。これが全然目立ちません。
LEDがカバーの下に隠れているため、光のリングが淡く浮かび上がります。ちょっとした未来感です。
写真は、光のリングが分かりやすいように、あえて暗くしています。明るい部屋ではそもそも光のリングが見えません。
アプリでアイコンをタップしたときや、Remo本体にタッチしたときに、光のリングが2回浮かび上がる仕様となっています。
普段はそもそも光っていないので、リビングの目に入る位置にセットしても、うるさくないのです。
リモコンの反応速度が向上している
もう1つは、反応速度がずば抜けて向上していること。
iRKitでは操作してから、デバイスが反応するまで、0.5〜1秒ほどのタイムラグが出ることがありました。
一方、Remoはスマホのタップとほぼ同時に、反応します。
搭載しているマイコンの性能が良いのでしょう。モノによっては、本物のリモコンよりも早く反応してくれます。
また、リモコン感度も良くなっていて、Remoをどこに置いても心地よく反応してくれます。
iRKitではLEDの方向を、家電に向けないと反応しないことがあったので、置く位置を考えなくてはいけませんでした。たまに効かないことがあって、少しずらしたりしていたのですが、これって本末転倒です(そもそも、移動したくないからリモコンを使っているわけで)。
僕は、照明をリモコン登録しているのですが、Remoで操作した方が早いし、向きも考えなくて良いのでダンゼン楽です。
RemoとIRKit。どちらがおすすめか?
個人的にはRemoがおすすめです。どれか1つスマートリモコンを手に入れるなら、Remoをセレクトしたほうが満足度は高いでしょう。
基本スペックはもちろん、使っていてストレスを感じません。
また、各種センサーを使った便利な機能追加が予告されています。今後も楽しみです。
単なるリモコンとして見ると、決して安くはないアイテムです。
ただし、長く使えるはず(少なくともIRKitは1年半使っていて、今も現役)。いつか買うなら、早いほうがいい。そういうアイテムです。
今後、できるようになること
センサーを使って、さまざまな機能が今後サポートされるはずです。
家に近づいたら照明を付ける
iPhoneやAndoroidの位置情報を使うことで、自宅に近づいたら家電をOnにすることができるはず。一人暮らしなら、明るい部屋が待っていてくれます。
家を出たら家電をOFF
逆に、家を出るときにすべての家電をOFFにすることもできるでしょう。エアコンや照明の消し忘れを心配しなくてすみます。
Webサービスとの連動
IFTTTや、amazon エコーなどのサービスとも連動するようです。
また、センサーに対応するAPIも公開される予定です。プログラマなら、さらに自由度が広がるでしょう。
Remoはどこで買えるのか?
2017/5/20の時点では、一般販売されていません。
早く欲しい人は、こちらでゲットしましょう。
https://www.indiegogo.com/projects/nature-remo#/
あとがき
正直、まだまだ発展途上といえるRemo。
KICKSTARTERでは、購入者からのコメントが多数寄せられています。
それによると、アプリなどのアップデートは順次行っていくとのこと。今後、ますます使いやすくなるはずである。